保健室の甘い時間

「ここ、学校っ!!」


私は吉岡先生の腕の中から逃げ出そうとする。


「うん、知ってる」

「いや、知ってるじゃなくて……」


私は吉岡先生の腕の中でもがくが、吉岡先生は離してくれない。


「もう少しだけ……」


そして、私をぎゅっと抱きしめる。


“学校”だって事はわかっているけど……

私も吉岡先生の背中に腕を回し、胸に顔を埋める。

すると、吉岡先生の心臓の音が聞こえてくる。

吉岡先生の心臓もすごい早さで動いている。

諦められず、すっと好きだった人が、ヤキモチを焼いてくれたり、ドキドキしてくれたり……

その事が、すごく嬉しい。