保健室の甘い時間

「でも、させませんから」


そう言うと、ぐいっと私の腕を引っ張り、立たせたかと思うと、そのまま吉岡先生の腕の中に。


えっと……

今、何言われた?

何……、されているの?


私の頭の中は真っ白になる。


「お見合いなんて、しないで下さい」


吉岡先生は私を力強く抱きしめ、私の肩に顔を埋める。


「よ、吉岡先生?」


その言葉や行動に驚き固まっていると、吉岡先生は私の身体を少し離し


「俺……、岩瀬先生の事が、好きです」


私をまっすぐ見つめながら言う。


吉岡先生の目は、すごく真剣だった。


だから……

冗談、じゃない?

で、でも……


「私……、フラれましたよね?」


正直、吉岡先生の今の言葉はすごく嬉しい。

でも、私は昨年のバレンタインにフラれている。

だから、そんなすぐに信じられない。