保健室の甘い時間

「お疲れ様」


先に着いた私は改札口から出て来た吉岡先生に声を掛ける。

そして、私達は、スーパーで買い物をし、吉岡先生のマンションへ行く。


部屋に入ったと同時に吉岡先生は私の事を抱きしめる。


「和生？」


さっきまで普通に会話をしていたのに。

どうしたのかと思い、私は声を掛ける。

だけど、吉岡先生は黙ったまま。


「ここ、玄関だよ？買った物、冷蔵庫入れなきゃ」


吉岡先生はさらにきつく抱きしめる。


「今日、ずっと不安だった……」


ずっと黙っていた吉岡先生は私の肩に顔を埋めながら話し出す。


「あの人も美咲さんの事、本気だったみたいだし。美咲さん、“断りに行く”って言っていたけど、“やっぱりあの人がいい”ってなったらって……。だって、あの人、大人だし……、それにあの人だったら、今すぐ結婚出来るでしょ？」


吉岡先生の言葉に、私は吉岡先生の胸を押し、吉岡先生の顔を見る。