入学式の日はなにかと忙しい




学校の規則などがつらつらと書かれたものや、
かなりシビアなお金の話が書かれた書類に目を通したり、
教科書の整理をしたりする




そんなことをしていると




私の部屋に聞きなれた着信音が流れた




真希からだ




『もしもし』




「もしもし?なに?」




『あのね、今日時間ある?』




忙しいよ




真希も忙しいでしょ?




「色々学校の準備が終わり次第」




『そっか。じゃあ準備が終わったらまた連絡して』




「うん、分かった」




『じゃあね』




「じゃあ」




電話が切れた




珍しく真希が深刻そうだった




いつも明るい真希が




こういう時こそ助けてあげなきゃね




真希を想い、私は早く準備を終わらせた