後ろから名前呼ばれて
振り返って みれば そこには司がいた。



『なに?』



「あの、無事だったんですね」 



『えぇ・・・』



速水もそんなこと
言っていたけど



『何かあったの?』



「写真が送られたんですよ。
そこには琳さんと琉が一緒に
写っている写真で 他の族に
琳さんが琉の女だって思 われたみたいです。」



『そう。でも大丈夫だから。』




「そうですね、琉も大丈夫って
言 っていたけど 自分の目でも確認したくって。
で は私はこれで失礼します。」



司は小さくお辞儀をし帰った。



「琳、誰が写真送ったか調べるか ?」



『いやいい、このまま勘違いさせておけばいい。 そっちの方が覇王に早く近づける 。』



「ふーん、まぁ琳なら平気だと
思 うけど 何かあれば俺も手伝うから言えよ な!」




『うん、ありがとう』



「それでは、恭弥の所に行きまし ょうか」



校門に近づいていくと、
前から 「琳さーん!」と
私を呼ぶ声がす る。



「すみません、迎えに行けなくっ て。
ちょっと生徒指導で。」



『大丈夫、凪や宏樹とも合流でき たから』



「きょーや!!お久~
本当に教師やってるんだね・・あ はは」



「宏樹なに笑ってるんだよ!」



「だってさ、あの暴れん坊で
手が付けられないって 言われていた
奴が教師とか・・笑 えるでしょっ!!」



宏樹は恭弥の姿をみた途端に笑い 出した。
恭弥は宏樹と仲が良く、
いつも会 うと あんな風にじゃれ合う。



「うるせーな! こいつー」



「ちょ、首絞めるの反則!」



「いや、反則じゃねーし これでどうだ!!」



「うおぉぉぉ ギブギブ!!」



「煩いですよ宏樹、恭弥。
久々に会って嬉しいのは分かりますが
場所をわきまえてください。」




「「嬉しくないし!」」



目の前で楽しそうに話す
3人をみ て 昔に戻ったような錯覚になる。
でも、ここにいるはずだった人
の影はどこにもない。