「琳……。」



『あ、ごめん』



凪の声で我に返り凪から離れた。
はぁ、やっぱり凪に会うと
甘えてしまう。



ギュルルル



「あ、お腹なっちゃったー
りーんお腹空いた琳の部屋に行こう?
そして、何か作って!!」



『作るのは別に良いけど
今日泊まるつもり?』



「そのつもりだよ?
あれメールしてなかったっけ?」



そう言われて確認のため
黒の携帯をだしメールをみてみると
未読のメールが一件はいっていた。



『ごめん、あった
何もないから買い物にいかないと』



「よし、じゃ
スーパーに直行ー!!」



『ちょっと待って
恭哉はどこ?』



宏樹は私の腕を掴み
歩き出そうとしたけど
私の問いかけに止まってくれた。
けど、手は掴んだまま。



「恭哉なら正門にいますよ。」



『そう、』



すぐさま
私の問いに凪が答える。



視線を感じて振り返ってみると
速水と目が合った。その目が
何かを言いたそうで悲しそうだった。



「…………んだな」



『え………』



速水の声は小さく私には
届かなかった。


聞き返そうと思っても速水は
何も言わず背中を向けて
歩き出した。



何故か背中が
見えなくなるまで見ていた。
速水は一度も振り返ることはなかった。



「ねぇ琳、
あいつの事どう思ってんの?」



『何いきなり…』



「んーや、ただなんとなく
凪だってきになるだろ?」 



「………」



『速水は皇帝の総長。
別にどうもおもってない。』



そう……速水の事なんて 
どうも思ってない……。
なのになんでさっきから
速水の顔を思い浮かぶの…?



「ふーん、まぁいいけどさ
鮫島の手下の族の動きについて
何か分かったの?」



『いや、』



「ふふーそうだろうと思って
凪が色々調べてくれたぜ!」



『何か分かったの……?』



「えぇ。今覇翁の連中が手下を使って
薬や、学校の帰りに1人になっている
生徒をねらって暴行をくわえてるそうです」



あの時から
何も変わってない………



「また最近では人数も増やし
この学校にいる可能性も低くないかと。』



『そう。』



私がここにいるって事はまだ
鮫島には流れてないと思うけど
今皇帝に入っているからバレるのも
時間の問題だ。



しかも速水が他の族に私の
存在を知られたって言ってたから尚更。




なら………「琳さん!!」