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そのまま目を閉じて
動かなくなってしまった君。
 

何度君の肩を揺すっても
反応しない。


嘘だ、嘘だ、嘘だぁあ!!


『嘘だぁぁっ!』 


そう叫んで勢いよく
起きあがった。


はぁ…はぁ…
夢、かぁ。にしても久々
見たなこの夢。


ごめんね、龍…私のせいで‥。
絶対龍を打った奴とその仲間は
私が殺してやるから…。
それが…それが全部終わったら
そしたら私もそっちに行くからね?


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あっ今何時だろう?
携帯を取り出して時間を
見てみれば三時を過ぎていた。
結構寝てたんだ…私。


そういえば宏樹達が
放課後くるんだったな。


そう思って立ち上がろうと
すれば何かが床に落ちた。
それを見れば男子の制服の
ブレザーが落ちていた。


誰が私に制服を掛けたんだ?
しかも寝てるときに。
誰かが来てたのに
気づかなかったなんて…。


最近動いてないから
なまってるのかもな。
今日宏樹達と運動しよ。


ヒュー
風が吹き、制服から
香りがとんできた。
ん…?この香り…


嗅いだことある匂い。
太陽の匂いみたいな
そんな感じの匂い
誰のだっけ…?


〈琳…〉


頭の中で何故か
速水が出てきた。


あっ‥そう、これ速水の匂いだ。
やっぱり速水屋上に来たんだ。
返さなきゃブレザー。
 

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教室に戻ってみたけど誰もいない。
このブレザーどうするか…
机にでも置いとけばいいかな?


そう思ってブレザーを速水の
机の上に置こうとすると同時に
ポケットに入ってた白の携帯が
鳴りだした。


『はい。』


《お前無事か!?》


電話に出ればどこか
慌てた様子の速水がいた。


『えぇ。無事だけど…』
 

《そうか…》


『うん。』


安心したようにそういう速水の
声がどこか“彼”に似ていて
胸が高鳴った。


《今どこにいるんだ?》


『教室』


《はぁ…だから
屋上にいなかったのか…》


『え、?』


《いや、何でもない
今から行くからそこ動くなよ?》


私の返事を待たずに速水は
電話を切った。


〈だから屋上にいなかったのか…〉


あれってやっぱり…
速水も屋上に来てたんだ。