自分から目をそらすとは思わなかった。ただアイツの目をずっと見てたら…深い闇に墜ちていくきがして怖いと思った。



喧嘩で自分よりも強い相手と戦っても怖いという感情はなかった。だがアイツの瞳を見たら恐怖を感じられずにはいられなかった。



そして、彼方がアイツを気に入ったらしく皇帝に入らないかと誘った。



最初は断ったがもう一度誘ったら入ると言った。何故かは分からないが、彼方が覇翁の名前を出した瞬間アイツの顔つきが変わった。でも本当に一瞬ですぐにいつも通りに戻った。



アイツの名前を聞いて“鈴みたいな名前”だと言ったらアイツは驚いて一瞬泣きそうな表情をみせた。



名前に執着はなかったが彼方は名前で俺は名字…それが妙に苛つく。


だからどうしても名前で呼ばせたいと思った…しかしアイツは名前で呼ぶなら入らないと言い出してきた。何故そんなに俺の名前を呼ぶのが嫌なんだ…。でも絶対いつか呼ばせる。



そしてあの眞田のアイツに対しての接し方。俺の知ってる眞田は誰かに対して敬語で話したりしない、ましてや誰かにあんな優しい顔をむけたりしない。



アイツは
本当に何者なんだ…?