ー速水sideー



「琉の隣の席が琳なんて羨ましすぎるよ~」



「は?」



学校に向かってる途中に突然と彼方がそう言う。
言ってる事が分からず無意識に声が出てしまった。



「あれ~?もしかして
知らなかったの?」



知らなかったもなにも教室にはテストがある時以外行かないし。隣なんて気にした事もない。まぁ誰も俺の隣に来ようとする奴なんていねーけど。


「あぁ。」



「そっか!
じゃ俺はどこかで
時間潰してくるよ~」



校門前にたどり着くと彼方は止まって俺の方に顔をむけて言った。



「なんで?」



「だって琉教室に
行きたいでしょう?」



確信があるように
キッパリと言う。



「…別に。」



「まぁ照れんなって!
じゃまた後で~」



俺の返事も聞かずに彼方はどこかに行き俺は校門前で1人残された。



ここにいてもしょうがないから教室に向かった。俺が入ると騒がしかった教室が一気に静かになった。



俺が皇帝の総長だって知っているからかほとんどの奴らが脅えた目で俺をみる。



お前らに何もしてねぇのになんで脅えられないきゃいけねぇのってつくづく思う。



だけどアイツは脅えた目で俺を見た事がない。



柏瀬琳。
今まで会った女と違った。俺を怖がらないし媚びを売ったりしない。普通に俺に接してくる。



あいつと初めて
会ったのは屋上だった。