ードサッー
部屋につくとすぐさまベッドに倒れ込んだ。
<何でお前俺の事だけ
名前で呼ばねーんだよ>
さっき速水に言われた
事を思い出す…。
呼ばないんじゃなくって呼べないんだよ。
同じ名前だから速水を“琉”って呼ぶ場合“龍”を重ねて呼んでしまう気がして名前で呼べない。
速水だって誰かに重ねられて呼ばれるのは嫌に決まってる。
だから速水に悪いけどこれから速水を名前で呼ぶ事はできない。
――
―――
――――
『何で私の隣の席に
座っているの?』
「ここはもともと
俺の席だ。」
教室にたどり着くと私の隣の席には速水がいた。
誰もいないって思っていたのにまさか隣が速水だったなんて…。
『そう。
それじゃ。』
「おい」
立ち去ろうとしたら速水が私を呼び止めた。
『なに?』
「屋上に行くのか?」
『関係ないでしょう』
冷たい目で速水を見て
言った。
「あっそ」
速水はそう言って机にうつ伏せになった。
私はそのまま教室を出て屋上に向かった。

