家の近づくにつれて
まだ帰りたくないなぁと思った。
それに気づいたのかはわからないけど
純さんが家の近くの公園にバイクを停めて
「ちょっと話さねぇ?…嫌ならこのまま帰るけど」
と言われあたしは小さく頷いてバイクを降りた。
屋根のあるベンチに2人で座った。
星がすごく綺麗でこのまま空に
呑み込まれるんじゃないかと思った。
「夢菜」
「はい?」
ふと、純さんが真剣な顔でこっちをみた。
「俺と付き合わね?」
本当にその顔は真剣で
このまま頷いてしまいそうで
甘えてしまいそうで急に怖くなった。
「ごめんなさい」
「なんでだよ。俺じゃ…ダメか…?」
少し寂しそうな顔の純さん。
違います。
純さんはダメじゃない。
「前みたいに近づかないで欲しいとかそんなこと思ってないです。本当に。でも…」

