あたしはなんだかドキドキしていた。
キスされたかったのか
恥ずかしいのか
自分でもわからなくなっていた。
ただ自分を変えてくれて
優しくしてくれるっていうだけで
ちょっと特別な気がした。
そろそろいいだろといって純さんが
私の手を引いて静かに玄関まで行くと
小声で話し合わせろよといって
玄関のドアをわざとらしくガチャンといわせた
「まじであの生活指導だるいな」
わざわざリビングに聞こえそうなくらい大きな声で言う
「そ、そうですね。ほんといつもあんな感じなんですか?」
と、あたしも話を合わせて大き目の声で言う
「あっ、俺着替えて行くわ。先リビングいってろよ」
「はーい」
そういって意を決してドアを開けると
ソファーに2人で座ってお茶を飲む裕さんと茜ちゃんがいた。
「もう、夢菜遅いよー」
と茜ちゃん。
「あ、あははー、ごめんごめん。純さんが生活指導の先生に捕まっちゃってさー」
誤魔化すのに必死だった。

