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「……ってことになる」

ミーティング中だというのに俺の頭ん中は雲の上。

全く話が耳に入って来ない。

「隆大丈夫か?ここ重要だぞー」
「……」

直人の言葉にも何も反応出来ない。

「隆ー?」
「……」
「おい、隆聞いてんのか?」
「……」
「隆!!」
「うぉ!!……え?何?」

直人に名前を呼ばれて三回目で
ようやく反応出来た。

「大丈夫か?どっか体調でも悪い?」
「いや、全然……」
「……やっぱり最近隆おかしいで?」

そう言ったのは黙って見てた真司。

「は?」
「実彩ちゃんに会えんくて
ショックなのはわかっとるけど、
いくらなんでも酷すぎや。
隆なら仕事とプライベート区別出来とったやろ?
なのに、何で今は出来へんの?
そんなに実彩ちゃんが大事なら
泣かせてでも自分のもんにすればよかったやろ?」

言葉使い、声のトーン、放つオーラ。

真司がキレている。

全てがそう思わせる雰囲気だった。

「お前に何がわかるんだよ」

けど、俺も最後の言葉にイラッときた。

全く俺は二歳年下の奴に何をしているんだ。

「おい隆……」

危ない雰囲気だと感じた秀が止めに掛かる。

が、俺達はそんなすぐにやめるはずがない。

「真司は確かにこの中で一番
俺達のことを知ってるかもしれない。
けど、だからって俺達の一部しか知らねーだろ!?」
「そうかもしれへんな。
けどな、そんなことでグチグチされても
こっちは仕事なんや。
みんなに迷惑掛かっとるんよ!!」
「そんなことって……
お前、今そんなことって言った?」
「ああ、言ったで?」
「お前にとってはそんなことかもしれねーけど、
俺にとっては重大なことなんだよ!!」
「だからなんや?
仕事一本も集中出来へん奴が女を守るってか?
笑えるわ」

微笑した真司にとんでもなく怒りを覚えた。

「……だと……」
「あ?」
「ふざけんな!!」

いつの間にか俺は真司を目の前にして
胸倉を掴んでいた。