[完]Dear…~愛のうた~

_______

ー「MISAさん体調はどうですか!?」

たくさんのフラッシュ、たくさんのカメラ

この中心に私は立っている。

「皆さんお忙しい中わざわざすいません」

私はペコリと頭を下げる。

今日は私が退院する日。

だからかたくさんの記者が
病院の前で私を囲んでいる。

「幸い体のどこにも異常はなく、
安静にしていればいい
と医師にも宣告されましたので、
本日無事退院することとなりました」

ー「活動復帰のご予定は?」

「活動復帰にはまだ至らず、
完治には2週間程必要と言われましたので
安静にして来月には予定通り
ライブのステージに立てると思います」

そして頭を下げ、
ゆかりんに支えられながら
車に入ろうと思った時……

ー「Chargeのタカさんとはどうなっているんですか?」
ー「タカさんはお見舞いに参りましたか?」
ー「タカさんのことをどう思いますか?」

と、隆弘の質問攻めをされた。

「なんで隆の話になるのよ……
するなって言ったじゃない」

不満そうに呟くゆかりんを見て
芸能人ってこんなもんかって改めて痛感した。

追いかけてくる記者を必死で止める
事務所スタッフやSP。

こんなに守られるってなんか不気味……

「闇の中……」
「え?」
「ううん、何でもない」

ゆかりんに笑いかけると
ゆかりんは納得したような顔をして
私を車の中に入れた。

_________

「ただいまー」
「おじゃましまーす。うわ、広っ!!」
「そんなことないよ。
あ、荷物ありがとね」

ゆかりんの持っている荷物を持って
クローゼットの近くに置いておく。

「うわー、何か4日もいなかったら
ホコリ溜まってるなー……」

私はハタキとほうきを持って掃除を始める。

「安静にって言われてたでしょー?」

そんな私にゆかりんはクスクス笑っている。

「十分安静でしょ?
ダンスしてる訳じゃないんだから。
あ、適当に座っていいよ?」

するとゆかりんは
ブラウンのビーズクッションに腰掛けた。

今私は久しぶりにマイホームに帰ってきた。

それにお昼も近いからって
ゆかりんとうちでご飯を食べることにして。