「ごめん、一人にして……」

今は一人で泣きたい。

一人で悲しみたい。

「ん、わかったよ」

杏奈の声でみんな一斉に部屋から出ていく。

「っ……」

そのまま安心して涙を流した。

私は人前で涙を流すのが嫌い。

それはきっと私は強がりだから……

誰にも弱いところなんて見せたくないから……

けど、わかってる。

素直になることも大切だって。

強がってたからワガママになっちゃったって。

けれど、私はもう自分が自分に負けている。

何もコントロール出来なくなっている。

それはきっと
過去からの恐怖と大切な人を失ったから……

_________

どれくらい泣いただろうか……

私の目はきっとパンパンに腫れている。

さて、水でも飲もう。

冷蔵庫に手を差し掛けた時……

___コンコン……

誰かが私の部屋に来たようだ。

……タイミング悪っ……

目パンパンなのに……

会いたくないな……

何て思いながらも

「はーい」

私は誰かを招き入れた。

まぁ、杏奈だったらいいんだけどな……

だが、私はその人を見た瞬間
冷蔵庫に思いっきり視線を変えて
ペットボトルに入っている水で
目を冷やしながらも隠した。

「大丈夫?」
「う、うん大丈夫」

落ち着け私……

こんなの動揺してるみたいじゃん!!

「泣いてた、よな」
「さ、さぁ?」

これじゃ泣いてたの丸わかりじゃん!!

「別に無理してこっち見なくてもいいから
誰だって見られたくないものは
あるだろうし……」
「そ、そうだね。
ありがとう……」

何で私こんなに緊張してるの!?

それは……彼だから?