「わかんないの、自分が」
「うん……」
「好きじゃないと思う。
けれど、隆弘に言われた言葉が凄い悲しかった」
「うん……」
「私を恋愛対象として見てないって。
あたりまえのこと言われたのに
凄い悲しくて、つらかった」
「そうだね……」

隆弘が言った言葉。

ただ通りかかった時にタイミング悪くその部分だけ聞こえてしまった。

けれど、なぜか隆弘の顔は泣きそうだった。

それはなぜだかわからない。

けれど……

「夢かわかんないけど、刺された後隆弘に告白された」

夢だとしても彼の目は本気だった。

本気で私のことが好きなんだろうか。

「知ってるよ?」
「……え?」

思わず下を向いていた頭を上げる。

「隆に相談されたの。
言っちまったって」

じゃああれは夢じゃない。

現実で起きた真実なの?

「そっか……」
「どうするの?」

それはきっと返事のことだよね……

私の答えは決まってる。

「無理……かな」

私は隆弘とは付き合えない。

「それ自分の気持ち?」
「そうだよ」
「私達に迷惑掛かるからとか考えてない?」
「考えてないよ」
「隆のことどう思ってるの?」
「隆弘は……大事な仲間だよ」
「それ嘘だよね」
「……嘘じゃないよ?」
「みーちゃんやめて。
嘘つかないで、ちゃんと素直になって。
ここで隠されても困るの。
気持ちだけでも教えて」

……素直になれって、そんなこと言われても……

「大事な仲間だよ」

そんなこと私には無理。