[完]Dear…~愛のうた~

「何でよ!!ここは上がるでしょ!!」
「は?こんな高い声誰が出るねん」
「私達は普通に出るのよ!!」
「あかん。PEACEが出ても隆でさえ出なへん。あーちゃんよく考えとき?これはあくまでもデュエットやで?」
「……PEACEだけのデュエットもいれてもいいでしょー?」
「そんなんPEACEの曲でやってくれや」

仲良しコンビはあーだこーだ喧嘩しながら順調に進んでいる様子。

「何かいい詩とかあった?」
「ん?たくさんあるよ?けどキーワードはなにもにするか決めてないからいっぱいある」
「んー、希望とか?」
「あ、それいいかも」
「じゃ、紙にまとめておくか」
「そーだね」

俺達はまず適当にフレーズを書いていくことにした。

まずペンを持ち始めたのは実彩。

“何もしなくてもわかるんだよ”

綺麗な丸文字が右上がりに記される。

「どう?」
「いいんじゃない?出逢いが感じられるよね。でもさ……」

俺はペンを持ってスラスラと書き始める。

“いつもキミは気づかないよね”

そう書くと実彩はリレーのように俺の下に書いていく。

“きっとそれは弱さを見せてくれないから”

それに続けて俺も書き続ける。

“僕にはその声は聞こえているんだ”

俺達までフレーズ書きリレーは止まらない。

“いきなり無理して笑っても何も変わらないよ”
“僕には何もかもお見通しなんだから”
“からかわないで?”
“どうしたの?”
“私何も出来ないから”
“そんなことない 僕らには同じものを持っているじゃないか”
“きっとそれは……”
“夢という大事な僕らを繋ぐ心だよ”

「……何か重くなってない?」
「だな。けれどこれくらいの重さが心に響くのかもね」
「わかる。しかもストーリーになってるから気持ちも入りやすいよね」
「だな。よし、とりあえずこれは保管して次の詩を考えよう」

俺達は違う紙を用意して詩を考える。

「次は恋愛にしてみない?」
「了解」

そして実彩は思いだしたようにペンを動かす。