「私があなたに初めて話した時……
あなたは隆の病室の前にいた。
すぐMISAだってわかったわ。
隆と一緒の病院に入院してるって言ってたし、
何よりあなた達に恋愛報道が出ていた。
だから私はあの時、あなたのファンだって
嘘ついて近づいたの」
すると、麗さんは私からゆっくりと離れて
ドスッと椅子に座った。
「私は別れてからもずっと隆が好きだった。
別れたのも元々は親が原因だし、
愛し合っている私達が
よりを戻すことなんて簡単なことだった」
勝ち誇ったような笑顔を向けられて
思わず逃げるように下を向いてしまう。
知ってる、隆弘が優しいことだって、
カッコいいことなんて……
ましてや、麗さんが隆弘のことを
思っていることなんてわかりきっていた。
そして、隆弘も少し麗さんのことを
気にかけていたことも……
私は全部知ってるし、わかっている。
「だから、あの後あなたは逃げるように
病室に戻ったのを見計らって
私は隆弘の病室に行った。
もちろん、最高の笑顔で前と同じように」
すると麗さんは悲しそうに顔を歪めて私を見た。
「けどね……隆は変わり果てていた。
前会った時が幻みたいに、
隆は私を見て光を失っていた。
“何でお前が来るんだ。
もう俺達は終わっただろ?勘違いすんな”って。
私を拒絶するように本気で嫌がっていた」
私はなぜか罪悪感を感じてしまい、
再び麗さんから目を逸らした。
「さすがにそれだけ言われたら傷つくわ。
だから聞いてやったの。
“全部あの子が原因なの?
私より隆を傷つけたあの子のほうが大事なの?”
そしたら、彼は私を殴りつけそうな勢いで立ち上がって声を上げた。
“実彩のことは悪く言うんじゃねぇ。
実彩は俺のことなんか傷つけてねぇんだよ!!”って」
私はその言葉に再び顔を上げる。
「それで私は確信した。
私はあなたに勝てないってね」
凛とした姿で遠くを見つめる麗さんに
私はかぶりを振る。
「けど、そんなこと思った
私がバカみたいだったわ」
いきなりのセリフに頭がついていかない。
そして麗さんは私の胸倉を掴んで威嚇する。
「そっかく、この私が身を引いてやったのに、
何よこの態度は!!
声が出なくなって、責任感じて別れて、
そしたら、もう二度と会わない!?
ふざけないでよ!!
私の気持ちは誰に踏みつけられたと思ってんのよ!!
そんなの私が絶対に許さないんだから!!」
その怒り震えている麗さんに
私は涙が止まらなかった。
それは少なくとも恐怖じゃなくて、
ありがたみを感じて、自然と涙が出てきた。
あなたは隆の病室の前にいた。
すぐMISAだってわかったわ。
隆と一緒の病院に入院してるって言ってたし、
何よりあなた達に恋愛報道が出ていた。
だから私はあの時、あなたのファンだって
嘘ついて近づいたの」
すると、麗さんは私からゆっくりと離れて
ドスッと椅子に座った。
「私は別れてからもずっと隆が好きだった。
別れたのも元々は親が原因だし、
愛し合っている私達が
よりを戻すことなんて簡単なことだった」
勝ち誇ったような笑顔を向けられて
思わず逃げるように下を向いてしまう。
知ってる、隆弘が優しいことだって、
カッコいいことなんて……
ましてや、麗さんが隆弘のことを
思っていることなんてわかりきっていた。
そして、隆弘も少し麗さんのことを
気にかけていたことも……
私は全部知ってるし、わかっている。
「だから、あの後あなたは逃げるように
病室に戻ったのを見計らって
私は隆弘の病室に行った。
もちろん、最高の笑顔で前と同じように」
すると麗さんは悲しそうに顔を歪めて私を見た。
「けどね……隆は変わり果てていた。
前会った時が幻みたいに、
隆は私を見て光を失っていた。
“何でお前が来るんだ。
もう俺達は終わっただろ?勘違いすんな”って。
私を拒絶するように本気で嫌がっていた」
私はなぜか罪悪感を感じてしまい、
再び麗さんから目を逸らした。
「さすがにそれだけ言われたら傷つくわ。
だから聞いてやったの。
“全部あの子が原因なの?
私より隆を傷つけたあの子のほうが大事なの?”
そしたら、彼は私を殴りつけそうな勢いで立ち上がって声を上げた。
“実彩のことは悪く言うんじゃねぇ。
実彩は俺のことなんか傷つけてねぇんだよ!!”って」
私はその言葉に再び顔を上げる。
「それで私は確信した。
私はあなたに勝てないってね」
凛とした姿で遠くを見つめる麗さんに
私はかぶりを振る。
「けど、そんなこと思った
私がバカみたいだったわ」
いきなりのセリフに頭がついていかない。
そして麗さんは私の胸倉を掴んで威嚇する。
「そっかく、この私が身を引いてやったのに、
何よこの態度は!!
声が出なくなって、責任感じて別れて、
そしたら、もう二度と会わない!?
ふざけないでよ!!
私の気持ちは誰に踏みつけられたと思ってんのよ!!
そんなの私が絶対に許さないんだから!!」
その怒り震えている麗さんに
私は涙が止まらなかった。
それは少なくとも恐怖じゃなくて、
ありがたみを感じて、自然と涙が出てきた。

![[完]俺様くんがスキなんです!!](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre1.png)