_______

「隆、どうしたん?ぼーっとして」
「え?あぁ、ごめん」

あの日から4ヵ月過ぎていた。

景色はすっかりと変わり、
寒々とした悲しい景色が広がっている。

ここのたまり場もヒーターをつけてないと
どうなるのかわからない。

「あー、寒っ!!こたつこたつ」

足早にこたつに向かう真司を横目に
俺は一人歌詞を考えていた。

そろそろ新曲を出さないといけない為
俺は頭を抱えていた。

大きな理由は新生Chargeになったこと。

秀が抜けたことによって
どうゆう構成にするのか考えて、
曲を作らなければいけない。

さすがにボーカル二人に
真司一人だけダンサーなのもあれだし、
だからと言って三人でバランス良く作るのも
なかなか難しい。

やっぱり、俺達には秀が必要だった。

「秀……」

名前を呼んでみても戻ってくることは
決してないのになぜか呼んでしまう。

今何してるのかなー、ゆかりん元気かなーとか。

最近頭にはそんなことしかない。

それはきっと、実彩という大事な存在が
遠くなっているから。

あれから実彩は腕の痙攣は収まったらしい。

その為今は筋力をつけるリハビリをしてるらしい。

だが、まだ失声症はまだ治らないらしい。

だからまだPEACEも活動していない。

まぁ、全部杏ちゃん情報だけど。

杏ちゃんと真司は全部知っているらしい。

まぁ、その二人には知っといてもらわないと

困ることがたくさんあるけど。

たとえば、またみんなで旅行に行く
なんて言い出したら
俺達はどうしたらいいのかわからないだろうし。

唯一、俺と実彩を繋いでいるのは杏ちゃんだ。

俺が実彩のことを知りたい訳じゃない。

きっと、杏ちゃんが俺に実彩の状態を教えて
俺を安心させたいんだろうけど。

俺は何だか複雑な気持ちだ。

体が良くなったって聞いて少しほっとしたり
実彩の話をしないで欲しいと願う自分もいる。

「辻ー」

そんなことを考えていると光が俺を呼んだ。

「何?」
「ちょっと来てー」

そんなダルそうな声に反応して
俺は光の元へ向かった。