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「今度はChargeのタカとしてな?」

どうして止めなかったんだろう。

彼は、とんでもない勘違いをしているのに……

どうして、そのまま手放してしまったの……?

私、頭の中で何かを外してしまったの……?

もしかして……
私、また素直になれてないんじゃないの……?

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別れを切り出したんじゃない。

“それでもそばにいてくれる?”

そう聞きたかったのに
彼は私から唯一会話出来るものを奪った。

そして彼は荒れ狂ったように私に言った。

「……好きじゃないんだろ?」

この前に何か彼は言ってたのに
その言葉のインパクトが強すぎて
それしか頭に出てこない。

好きじゃない……?

そんな訳ないじゃない。

どうしたらこの気持ちは伝わるの……?

だって、私の声は出てくれないんだから……

手を固定されてホワイトボードも使えないし……
何も、伝えられない。

そして私は本能のままにとりあえず頷いた。

その言葉の意味が何だったのかも知らずに……

そして私はその後強引に抱かれた。

一体何が起こっているのかわからなかったけど
彼の為になるならそれでいいと思ったの。

けれど、さっきの彼は違った。

今まででは考えられないような強さで私を固定し、
ありえない激しさで私を抱いた。

まるで、私のことなんて考えていないように……

そしたら、急に怖くなった。

彼が違う人に見えたから……

怖くて怖くてたまらなくなって、
私は彼の名前を何度も呼んだけど、
彼が戻ってくれることはなかった。

気がつくと私は泣いていた。

声が出ないのに怒りと悔しさを抱いて
私は自分を責め続けた。

そしたら、急に彼は私から離れようとした。

けど、必死に止めた。

行かないでって、必死に目で訴えた。

そしたら、私の気持ちに気づいてくれたと思ったのに……

神様は、意地悪だね……。

そして、彼が部屋から出ていった時、
気づいちゃったの……。

“やっぱり、素直になったら
何もかもなくなってしまうんだね。
私は、ワガママだから……”

また、過去に戻ってしまったみたいだ。

彼がいた時間が切り取られたように
私の心はまた封印されたみたい……