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数日後……

私は院内のホールにいた。

「隆弘!!」
「おぉ」

彼の名前を呼ぶとクシャッと笑った顔で
私に手を振ってくれた。

私達は毎日会うようにした。

それは、お互いのことを励まし合う為。

そして何より……

「実彩」

後ろから隆弘に抱きしめられる。

「もう、何ー?」
「ん?ただこうしてたいだけ」

愛を確かめる為だったりする。

「今日検査だよな?」
「そー、嫌だ!!」

今日は腕の検査。

だけど、私CTが怖くてしょうがない。

あんな、暗いとこに入るのはもう嫌だ……

「大丈夫だって、すぐ終わるから」
「隆弘にはわかんないよー」

そんなことを言いながら廊下を歩いていると

ーガンッ!!

「う……」

私はそのまま頭を抱える。

「実彩?」

隆弘は私を支えるように駆け寄る。

頭を何かで殴られる感覚がする。

それはまるで、過去を思い出した時のように……

なんで?

もう、発作は起きてないはずなのに……

しかも、今過去を思い出してない。

私はそのまま隆弘の体を借りて倒れ込む。

「実彩!!」

必死な隆弘の声がわかる。

そして、周りには看護師さん達がいる。

気持ち悪い……

そう思った時、喉に違和感を感じた。

そして次の瞬間……

私の周りは赤色一面に染まる。

恐らく私は、吐血した。

「大丈夫ですか!?しっかり!!」

看護師さん達が私をどこかに運ぶ。

「実彩、今お医者さんとこ行くから頑張れよ!!」

隆弘の声が耳元で聞こえる。

私の体は言うことを聞かない。

腕の痙攣がさっきから凄い感じる。

そしてそのまま、私の視界は真っ暗になった。