「隆弘は、私に光を好きになってくれって
そう言ってるの……?」

逸らしていた目を向けると
実彩は必死で尋ねるように俺の手を握った。

「……ごめん」

そんな実彩の手を俺は握り返すことは出来なかった。

「隆弘は、やっぱり何もわかってない」
「……え?」

そう吐き出して実彩は俺の手から手を離す。

「好きな人に好きじゃない人を好きになれ
なんて言われた人の気持ち」

ーズキッ……

心にナイフで刺された感触がある。

「私がどんな思いで
この腕を見てるかなんて知らないでしょ?
私がどうして隆弘を好きになったかなんて
知らないでしょ?
だから、そんなこと言えるのよ!!」

実彩の目には怒りの象徴として目が充血している。

「私はね、隆弘だから好きになったの。
もし違う人に隆弘と同じことされても
絶対好きになれない」

そんなこと知ってる。

俺だってそうだ。

麗にそうされても俺は実彩のことしか思い出せない。

「私、光を好きになれない。
だってこの腕、隆弘がいた証でしょ?」

実彩はわざと俺に痛々しい腕を見せてくる。

「この腕があって隆弘を忘れるなんて出来ない!!
だってこれはキャッ!!「ガン!!」

俺は何をしたのかわからなかった。

ただ、俺の目の前には怯えている実彩。

実彩を壁に押しつけた俺は、
実彩を上から見下ろしている。

「隆、弘……?」

明らかに実彩の体が揺れている。

いや、違う。

ガクガク震えているんだ。

そしてそのまま……

「え……いやっ!!離して!!」

俺は実彩に最低なことをした。

そのまま実彩の胸元に手を滑らせる。

「隆弘やめ……!!」

実彩の口を塞ぎそのまま行為を進める。

実彩、ごめん……

これが、今の俺なんだ……