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ふと目を覚ますと、
私は1人白い空間にいた。

何もないところ……殺風景……
いや、透明感溢れる空間に私は横になっていた。

すると……

ーカチッ……

そこに、いきなり映像が流れて来た。

“北川 実彩”

そう書かれた文字が映しだされる。

そして、まず最初に流れたのは……
私が生まれた時の映像。

もしかして、これは……

「ラスト•シネマ……?」

死ぬ前後どちらかに見るという
今までの人生を振り返る映像……

ということは……

「私、死んだの……?」

少しへこみながらも私は映像を見ることにした。

次々と進んで行く中、
私はいつの間にか泣いていた。

これを見るとやっぱり……

「いい人生だったのかな……」

そう言ったと同時に一気に辺りが暗くなった。

「……え?」

すると、頭に走る激痛……

何!?まだ映像終わってないし……

私、死んだんだよね……?

そんなことを思っていると再び辺りが明るくなった。

でも、さっきとは違う……

どこからか、音がする。

不思議に思って首を横に曲げると……

見たことのある景色……
窓からは眩しい光が刺激する。

ここは……

「病院……?」

そう口にした時、

ーピピピピピー

隣から何か機械音がした。

不思議に思って首を傾げていると、
何人もの人が私の元へやって来た。

「北川さーん、わかりますかー?」

この人は……看護師さん。

でも、どうしてここに……?

「北川さーん、返事して下さーい?」
「あ、はい……」

私の出した声は少しかすれていた。

すると、私の口元から何かをとられる。

酸素マスクだ……

もしかして私……

「生きてるの……?」
「えぇ、ちゃんと生きてますよ?」

その言葉に涙が出てきた。

「よかった、よかった……嬉しい……」

そう思って涙を拭おうとした時
腕に違和感を感じた。

不思議に思って、腕を見てみると……
ぐるぐる巻きにされた包帯が
私の腕を完璧に覆っていた。

「後で、先生が来てくれるから」
「はい……」

私はその言葉に不安を覚えた。