ーバーン!!

爆発が起きて体が離れた時、
私は少しだけ寂しかった……

隆弘がもうそばにいることはないんだって思ったら
何だか泣けて来た。

「ありがと……ごめんね……」

ーバターン!!

隆弘が見えなくなったのと同時に
辺りが炎一色に包まれた。

「幸せになって……」

やっぱり神様は意地悪だ……

私を幸せにはしてくれない。

けれど、きっと隆弘のことは
ちゃんと幸せにしてくれるでしょ?

そんなことを祈りながらも
私は最後の力を振り絞って
大きな棚の間に挟まった。

最後に、少しだけでも、長く生きせさて……

私は炎と死の恐怖に怯えながら静かに目を閉じた。

そんな時……

「……実彩!!クソッ、何で開かねーんだよ!!」

ドアの向こうからドアを叩いて悔しそうに
必死に私を助けようとする声がする。

やっぱり私……もう一度隆弘のそばに行きたい……!!

そう思って立ち上がろうとするものの
体に力が入らない。

頭がズキズキと割れるように痛い。

腕は痙攣が止まらず、感覚もない……

その中で炎は激しさを増し、
私の体をどんどん襲ってくる。

そんな状態でドアまで行くことなんて不可能だった。

けれど、私……生きたい……!!

そう思って再び体に力を入れると
少しだけ体が動いてくれた。

そのまま立ち膝をして、力を込めた時

「う……!!ゴホッ、ゴホッ……う……ゲホッ!!」

急に呼吸が苦しくなった。

嫌、嫌!!死にたくない!!

「うっ……ハァッ、ゲホッ、ゲホッ!!」

煙を吸ってしまったんだろうか……

私の体はどんどん力を失って行き、倒れ込む。

「……っ……」

もう息を吸うことが出来ない。

私、死んじゃう……

涙が出てきた。

死にたくない……もっと、生きたい……

今更、人生を後悔する。

もっと、いい人生送ってればな……

そう思って、ドアに手を伸ばした。

隆弘、隆弘……助けて……!!

私、まだ死にたくない……

そして、遂に瞼が重くなる。

そのまま、手が床に落ちて行く。

そんな絶望的な中、幸せにしてくれたのは……

「実彩!!」

最後に聞こえたドアの向こうから聞こえる
大好きな、私を呼ぶ声……