ードーンッ!!

「キャ!!」

二回目の爆発で爆風が来て実彩は倒れ込む。

「実彩!!」

駆け寄って実彩を持ち上げようとした瞬間

ードーン、バーン!!

大きな音が再びした。

俺は実彩と一緒にその方向、
非常階段のほうを見てみると……

「嘘、でしょ……!?」

大きな棚が二つ倒れていて、
非常階段への道が通れない状態となっていた。

そしてすぐ後ろには炎が迫って来ていた。

ただ、俺は迷わなかった。

「実彩、行くぞ!!」

実彩の手を取ってそのまま棚を飛び越えて
非常階段へと行ける、はずだった……

ーパシッ……

俺が飛び越えた瞬間、
俺と実彩を繋ぐ手が切れてしまった。

慌てて振り向くと実彩は棚の前で立ち尽くしていた。

「実彩、飛べ!!大丈夫だから」

実彩を安心させるように誘導するが、
実彩は首を横に振る。

「無理、もう、腕が言うことを聞かない……」

実彩の腕を見てみるととめどなく流れている血に反動して、
実彩の腕は激しく痙攣、麻痺していた。

そして、頭からも同じように大量の血が流れている。

実彩のすぐ向こうには炎が恐ろしい程光っていた。

「実彩飛べ!!俺が受け止める!!」

俺は手を伸ばして実彩の目を見る。

「大丈夫だ、俺が受け止める。
たとえ、実彩がここまで来れなくても、
飛んでくれたらそこまで助けに行く!!
だから、飛んでくれ!!頼む!!」

最後は祈るように実彩に言い聞かせる。

だけど、実彩は首を縦に振らない。

「隆弘は逃げて!!私は大丈夫だか「死にたいのか!?」

俺はもうどうしょうも出来なくて、
そう炎に負けないくらい叫んでいた。