真司は雑誌に載ってるPFACEを見て
かわいいかわいいとうるさい。

真司はANの大ファンなんだとか……

「はぁー、マジでANちゃん天使だわー
同じ事務所なのになんで会えへんやろ……」

……ただのバカ。

直人はひたすら筋トレ。

「おぉ!!ここの腹筋が割れてきた!!」

元々割れてるだろ……
しかも何個割らすつもりだよ!!

光はずっと音楽を聞いてリラックス中。

……うん、普通。

秀は新婚ほやほやで浮かれてるのか
指輪を大切に握って鼻歌。

そして俺は……頑張って新曲の作詞をしていた。

あ、俺は辻 隆弘(つじ たかひろ)。

ちなみに19歳。

明るい茶髪に前髪を分けて
後ろのみパーマをかけている。

一重なのに目が大きくてよく女顔と言われる。

そしてChargeのタカとして活動している。

Chargeは男子4人組ユニット。

俺と光がメインボーカルで
秀と真司がダンサー兼ボーカルとなっている。

俺達は日本の誰もが知っているユニット。

俺達は日本で5位ぐらいに入る人気の高さ。

基本的に曲は真司が作って俺が作詞する。

ダンスの振り付けは秀と光で考えて作る。

つまりこのユニットは俺ら以外の人は
何も手をつけずに俺らだけで作られている。

だから俺達のやりやすい環境になってるのかも。

なんて思っていると……

「あ、ゆかりんからメールだ」

直人宛にメールが来たらしい。

「え!?ゆかりん!?」

と嬉しそうにはしゃぐ真司に……

「何で俺に来ないんだ……」

と若干すねている秀。

ゆかりんとは秀の奥さんで
この会社の社長の娘さん。

マネージメント部に所属しているから
仕事のメールは全て直人に来る。

「え!?」

直人はメールを見て目を丸くしている。

「どうした!?友香理が何かしたのか!?」

秀は心配そうに直人を見る。

「凄いぞ!!ゆかりんが
PEACEのマネージャーになったって!!」

直人は目をキラキラさせて喜んでいる。

「マジで!?やったー!!ゆかりんに会う時
ANちゃんとも会えるかもしれへんやん!!」

テンションMAXな真司はソファーの上を
ピョンピョン跳ねている。


「真、ホコリたつからやめろ!!
あ″ー、指輪が消えた!!」

秀はめっちゃ指を差して落としたであろう
指輪を必死に探している。

なにやってんだよ……。

光はみんなの会話など聞こえてないようだ。

この時の俺はゆかりんのおかげで
出逢えるなんて知るはずもなかった。

でもその日は今日で凄い縮まったんだ。