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あれから数日後……

俺と秀は溜まり場でグタッとしていた。

「暑い……」
「あぁ……アイス……」

もう7月の中旬。

暑さが確実に厳しくなってきている。

そして、この会社ではエアコンを使わない
活動をしている。

もちろん、ここのエアコンも。

「これも温暖化防止のためだー……」

そう言って冷凍庫に手を差し伸べる。

「もうアイスないぞー」
「えぇ!?」

秀の声で慌てて中身を確認すると……

「なんで!?さっきまであったじゃん!!」
「直人がジムの差し入れに持ってったぞ」

ったく……暑苦しい……

しかもそれくらい自分で買えよ……

俺がわざわざ買ってきてやったのに!!

「アイスー」
「スイカー」

二人共扇風機にかじりついて何とか暑さを凌ぐ。

「そういえば、どうしても
隆に言わないといけないことがあってよ」

二人で楽しく涼んでいると秀が眉を曲げた。

「俺に?」
「実は、俺達まだ結婚してないんだ」
「……は?」

その言葉の意味がわからなかった。

だって、ゆかりんと秀は一緒に住んでるし
名字だって変わってる。

「婚約はしてるんだけど、結婚はしてない」
「なんで……?」

聞いていいのか迷ったけど、
俺は聞いてみた。

きっとそれは……

「友香理の母親、社長の許可がないんだよ」

やっぱり……

「確かに、俺達は色々あって、何回も別れた。
その一番の原因が友香理の父親が亡くなったこと。
それから友香理と社長は狂い始めた。
ここから壮絶なストーリーになるけど、
隆着いてこれるか?」

秀の挑発的な笑みが少し悲しく染まる。

「あぁ……」

でも、そんな秀が俺に何かを伝えたい気がして
俺は真剣に秀のことを見つめた。