「違う!ただのクラスメイトなんかじゃない…!」


橘が声を張り上げた。


「青木は優しくて、気がつかえて、都にも話しづらいことも青木になら話せるもん…。ただのクラスメイトなわけがないよ」


こんなこと言われたら…俺の気持ちを言いたくなるだろ……。

焦るなよ、俺。
自惚れるなよ、俺。


「そういうふうに思ってくれてたんだな…。俺だけかと思ってたよ」


「…へ?」


「橘の家庭の事情なしに、橘のことを俺が守りたいって思ってたから。気持ちが一方通行じゃなくて、安心した」


「なんか…照れる……」

そう言って橘はうつむいてしまった。