「……」


「……」


沈黙が続く。

俺が何を話そうか言葉を選んでいると橘は口を開いた。


「…青木くんのお母さんにも話したんだけど今回はね、未遂ですらないの。
ちょっと危なそうだったから、慌てて出て来ちゃった」


わざと明るく言った。

そうか、橘は母さんに事情を説明してくれたんだな。


「俺に連絡してくれてありがとな」


「ん?」


橘が不思議そうに首をかしげる。


「頼ってくれてありがとう。俺なんか、ただのクラスメイトなのに…」


たまたま同じ委員会になって、たまたまこうして関係を持てているだけなのに…。