僕は君の名前を呼ぶ



橘の姿を見て一気に緊張がほぐれたのかさっきまで感じていなかった寒気が襲ってきた。

さっさと風呂に入ろう。


「俺も風呂入るから、橘はゆっくりしてろよ」


俺は橘にそう言い、すれ違いざまに頭をポンと撫でて風呂場に向かった。


手短に風呂を済ませみんながいるリビングに向かうと母さんと橘が話しているのが見えた。

兄貴はもう自分の部屋に戻ったらしい。


「海斗、彩花ちゃんはいい子ねえー。彼女になってもらいなさいよ」


「や、やめろよ母さん」