僕は君の名前を呼ぶ



わたしも、わたしと同じように悩みを抱える人たちの力になりたいなあ。




のぼせる寸前にお風呂から上がり、部屋着に着替えてからキッチンへ。

汗をかいたから体が水分を欲している。


麦茶を飲もうと冷蔵庫の前に立つと背後に気配を感じた。

…嫌な予感しかしない。


その場から離れようとすると、“アイツ”に腕をつかまれ胸の中に吸い込まれてしまった。


「い、イヤッ!」


出せる精一杯の力でアイツの胸を押し、一目散で家の外へ逃げた。


降りしきる雨の中、呼吸もを忘れて走り公園へ。

びしょびしょの手でポケットを漁り、ケータイを出し無意識のうちに青木に電話を掛けていた。