恋愛は、ひとりでするものじゃない。
男と女がいて、初めて成り立つもの。
俺が悲しくなくても、彩花は悲しんでいるかもしれない。
けれど、メールと電話だけじゃ、はっきりそれを確認することもできない。
彩花…──教えてくれ………。
「海斗くんは、つらくいんじゃないの? 彩花ちゃんに会えなくて」
「あと少しの辛抱ですから」
あと、少し。
春になれば迎えに行けるんだ。
「彩花ちゃんはどう思っているの?」
「えっ?」
「海斗くんがよくても、彩花ちゃんはそんなことないかもしれないじゃない。どうするの? 彼女が毎晩泣いていたら」
図星だった。
前から感じていたことだったけど、俺は目をそむけてきたんだ。
ああ…、俺は彩花に何をしてやれただろう。
関係で縛って、たくさん傷つけたかもしれない。

