「誕生日って海斗くんに教えたっけ…?」


「ゴメン。夏樹に聞いた」


“聞いた”というより、向こうが勝手に“しゃべった”という方が近いのだけれど。


『彩花の誕生日もうそろそろだぜ!4月12日だぜ!祝ってあげろよな!』って。


夏樹の親切で教えてくれたのは嬉しかったのだが、同時に彩花ちゃんのことを何も知らない自分に腹が立った。


「海斗くんの誕生日はいつ?」


「7月21日…」


「そっかぁ…。わたしたち、お互いのこと全然知らないね」


そう言って彩花ちゃんは笑った。


「いいさ。これから知っていけば」


「そうだね」


「ほんとは当日に祝いたかったんだけど…。ごめんな」


「ううん!こんな素敵なものをもらえて嬉しいよ」


「…離ればなれになるけど、俺は彩花ちゃんと同じ時を刻んでるから。これ見てそのこと思い出して」


「うん」