僕は君の名前を呼ぶ



「ねえ海斗くん。アナクロの“流れ星”の歌詞わかるよね?」


「ああ、うん。そりゃあもちろん」


──星が空を 駆けるたび
  君への想いが 溢れ出す


  零(こぼ)れたら 掬(すく)えばいい
  消えたら 描(えが)けばいい
  忘れたら 戻ればいい


  見えなくても 苦しくても 忘れないで
  ここには同じ時間(とき)が 流れているから


  決して嘘じゃない この熱情
  もう一度見せてよ 夢の続きを──


「わたしが言いたいことは、その歌詞そのものだよ。そりゃ、離れたくないよ。でも、今がちゃんとあるから」


「ん…」


情けない。
ほんと情けない。


揺らぐはずのない自分の気持ちを心配していたなんて。


「ずっと、好きだよ」


──“決して嘘じゃない この熱情”


今は胸をはってこう言えるよ。


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