僕は君の名前を呼ぶ



「そうだ、これ」


俺は今更だけど、夏祭りのときに神社でふたりで撮った写真を渡した。


「うわああ、懐かしいねコレ!よく撮れてる」


「ずっと渡したいと思ってたんだけど、なかなかタイミングがなくて。ごめん」


「色々あったもんね、あのあと」


彩花ちゃんはこっちを見て俺を挑発するかのようにニヤリと笑った。


「ごっ、ごめんて!」


「あは、もう怒ってないから大丈夫だよ!」


「“もう”じゃん…」


彩花ちゃんにフルシカトされてたもんな、俺。


「あのときは、何で怒ってたのかわたしもわからなくて。怒りよりも絶望に近かったのかも…」


「絶望…?」


「手を離されて、『わたしの恋は終わった』なって思ったの。片想いして何でも良い方向に考えられて、海斗くんが手を握ってくれたのもきっと…って思ってた」


「うん」