「お、おう」
どもり過ぎだろ、俺…。
──カシャッ
「どう?」
「見てみ」
右肩がわがままを言ったけど、それを無視して答えた。
「わぁぁ!」
橘があげた感嘆の声。
2枚目の写真は、花火も俺たちもきちんと入ってよく撮れていた。
橘は、背中の花火のような満面の笑み。
俺は、右肩に意識を持っていかれてしまい不自然な笑顔。
「後で送るな、写真」
「うんっ、待ってる」
橘の頭痛も治まり、俺たちは再び手を繋いで夜店をまわっていると、夜も深まって中高生の姿もまばらになり、ガラの悪い大人が増えてきた。
「そろそろ帰ろうか。送るね」
「…うん」

