「ん?何か言ったか?」


「なっ、何でもないです…」


それだけ言うと、橘はうつむいてしまった。

なんか俺、悪いことでもしちまったかな…。


も、もしかして、手!?
俺と手繋いでるのが嫌なの!?


俺は恐る恐る橘に聞いてみた。


「手…嫌だった?」


すると橘はふるふると首を横に振った。


「優しいねって言ったの。嫌とかじゃなくて、嬉しかったよ。ありがとう」


よ、よかった…嫌なんじゃなくて。


「俺、暑くなっちった!かき氷食べない?」


暑くなった理由は、もちろん、橘だけどな。


「食べる食べる!」