「やってみる?」


ガラにもなく、素敵な言い伝えだと思った俺は試してみたくなった。

すぐに消えてしまう花火に願ったとしても、自分の気持ちは消えないということを証明したかったんだ。


花火セットの最後の1種類の線香花火を取り出し火をつける。

パチパチと光を放ったと思ったら瞬く間に消えていく花火も、桜と似て儚いと思った。


「落ちちゃったね…」


公園が再び静寂を取り戻すと橘は悲しそうに言った。

消える運命にある花火に願いを託すのもなんだかなと思いつつ、妙に納得してる俺もいた。

なんでだろーな。
やっぱ、最近の俺は少しおかしい。