幼い頃のわたしは精一杯の力で走り続ける。


それでも3人になかなか追い付かない。

向こうでお弁当を広げて待ってくれているはずなのに、むしろ距離が広がっていく。


わたしは何もできずにわたしを見つめてみた。




「っ…!」


夢から覚め、ケータイで時間を確認した。


「まだ2時半か…」


明けない夜なんてないはずなのに、このままいつまでも夜が続きそうな気がして体が一気に冷えてしまった。


体は疲れているのに眠れない。


「早く朝になって…」


不安を、消してよ…──。


【彩花 SIDE:END】