「…えと、ありが、とう?」


「フフッ、何で疑問系?」


「…っていうか橘、顔真っ赤じゃん!熱あんのか!?」

思わず声を荒立ててしまった。

あれだけ体を冷やせば、熱も出るよな。
あぁ、俺がもっと早く橘のところに行けていたら…。

橘は「ないない、絶対ない!大丈夫、元気元気」と言い張るけど、元気そうな顔色じゃない。


「ちょっとゴメン」


「……っ!」


橘の額に手のひらを当てて熱があるか確認する。

橘の肌に触れる…──。
俺の顔まで真っ赤になったのがわかった。

橘が熱いのか俺が俺が熱いのかわからないや。