あの日、

満開の桜の木の下で

僕は君を見つけたんだ。




あたたかな陽に照らされた

君の少し茶色の長い髪の毛は、

キラキラ光っていて

それに思わず目を引かれてしまった。


僕の目に映った、

君の長い髪も

細い腕も

華奢な肩も

すべてを焼き付けたいと思った。




君に向かって走り出したくなる

そんな気持ちを、衝動を、抑えながら

僕は遠くから見るだけしか出来なかった。




でも、次の瞬間……

君は髪を揺らしてこっちを向いて

僕の存在に気づいて

微笑んでくれた────。