そう。
誰の目から見ても、ユイはシュンスケくんに、ぞっこんだった。
「そ、そうなんだ、良かったね、ユイ」
私は、ひきつった笑みを浮かべながらそう言った。
て、ていうか……
新宮大学の法学部って、超エリートじゃん。
そういえば、卒業生は、弁護士や検事に一発で合格する人がものすごく多いって聞いたことがあるな。
しかも、このシュンスケくんって、超かっこいいじゃん。
なんだろう。
イケメンで頭が良くて、爽やかなスポーツマンって感じ?
えっ!
イケメンで頭が良くて爽やかなスポーツマン!?
あ~!
それは、私が運命の人に求めているものじゃん~!!
あ~、いいな、ユイは。
おそらく、このまま愛を育んでいけば、彼が運命の人になるんだろうな。
私は、2人を見ながら、ちょっと羨ましくなってしまった。
すると、その時、
「あっ、そうだそうだ」
と、ユイが彼氏の肩をポンポンと叩いた。
「サヤカの目を見てよ。ちょっと青色ですごく綺麗でしょ」
「え? どれどれ……」
シュンスケくんは、顔を近づけ私の瞳を覗きこんだ。
「おっ、すっげえ! 超キレイじゃん! モデルみたい!」
「ねっ、すごいでしょ。サヤカってハーフみたいでしょ」
2人は、私の瞳の色でしばらく盛り上がっていた。
そして、そのあとは、
「あいかわらず、それ綺麗だね」
私のネックレスに、話題の方向を変え始めた。
「サヤカ、いつもそれつけてるよね」
「うん、なんだか身につけていないと落ち着かないんだ」
それは、緑の綺麗な丸い石がついたネックレス。
いつからかは忘れたけど、私はいつもこのネックレスをお守りのように身につけていた。
そういえば、これ誰に貰ったんだっけ。
はっきりとは覚えてないけど、私がまだ11歳ぐらいの時に、親戚の誰かがくれたんだよな。
あれからずっと、私は常にこのネックレスを身につけていた。
「じゃあね、サヤカ、また明日ね~」
「うん、またね~」
そして、2人は仲良く手を繋いで、街中へと消えていった。

