――翌日。



「ねえねえ、見た? 今朝のニュース」

「見たよ、びっくり~、この近くにまた隕石落ちたんでしょ」

「2ヶ月前にも落ちたよね。このへんってすごいよね」

「うん、すごい確率だよね」


朝から教室中は、ざわざわ、ざわざわ。

というのは、学校に来てみると、みんな同じ話題でもちきりだった。

それもそのはず。

実は、今日の朝早く、確か午前4時半過ぎ、この町の中心にどっしりと居座っている山に隕石が落ちたようだ。

その山は、通称『なでがた山』

撫で肩の人のような形をしていることからそう呼ばれている。

ていうか、すごいな。

あの山は、何か霊的なものでもあるのかな?

私は、そんなことを考えていた。

でも、それもそのはず。

実は、あの山は、2ヶ月前にも隕石が落ちている。

世界的に権威ある学者さんたちが大勢、こんな小さな街に足を運んで研究していた。

しかし、落ちた形跡はあるけど、隕石のカケラなどはないらしい。

不思議なもんだ。

まあ、今も研究は続いてるみたいだから、そのうち色々と分かってくるんだろうな。


でも、この小さな街にとって、隕石が落ちたことは非常にプラスになった。

なぜなら、そのおかげでこの街はプチフィーバー。

和菓子屋を経営しているうちの両親は、隕石まんじゅうなどを作っておもいっきり便乗する始末。

おそらく、今日のニュースを聞いて、今度は隕石せんべいなんか作ったりするんだろうな。

まあ、いいけど。

それで、うちのお店が潤うんなら。

でも、前の時も思ったけど、今回も、隕石が落ちたのが山で良かったな。

街に落ちていたら、いったいどうなっていたんだろう。

あんな隕石をまともにくらったら、運命の人を探すどころか、一瞬で死んじゃうもんね。

うん、そう考えたら私はラッキーだ。


隕石が落ちるように、私にも激しく大きな恋が舞い降りたらいいのにな。


「よしっ!」


私は、机の上で小さく両手を握りしめ気合いを入れた。



見つけるぞ。

絶対、運命の人を見つけるぞ。