【短編】君の数字




でも、これじゃダメなんだ。

運命の人は、100%じゃないとダメなんだ。

それは、私が自分で決めたルールだから。


100-97=3


あと、残り3%……か。

じゃあ……


「だったら……」




自分で


100%にすればいい




「レイ……」



チュッ。



(レイの唇)+(私の唇)=キス



2つの唇が重なった。

私は、レイに抱きつき、自らキスをした。

それは、ファーストキス。

人生でたった1回しか味わえない大事な大事な初めてのキス。


私の愛情よ。

レイに対する愛情よ。

唇から全て伝わって。


私は、そういう思いを呪文のように心の中でつぶやいていた。

およそ、6秒間。

私はレイと唇を重ねていた。


「ねえ、レイ……」


そして、そっと唇を離すと、私は言った。


「私を見て」



2人の視線が再び重なる。















スパン!



「良かった……」




ほら


100%になった




だって、私の大事なファーストキスを捧げたんだもん。


運命の人になってもらわなきゃ困るもん。



「さあ、レイ……お世話になったみんなにそっとお別れしたら……ミルディック星に帰ろっか」

「お嬢様……」

「あっ、そうだ」


私は、ポンと手を叩いた。


「帰ったら、まず何をするか分かるよね?」

「え? 何ですか?」

「もう、なんで分かんないかな。あのね……」




帰ったら


すぐに結婚式をするんだよ




「レイ……」

「お嬢様……」



チュッ。



{(レイの唇)+(私の唇)}×お互いを思う強い愛情=最高のキス



私とレイは、もう一度キスをした。


お互いが運命の人だということを確認するように。



ずっとずっと抱き合っていた。