【短編】君の数字




私の中で、色々なことが一気に分かり始めていた。


まずは、あの隕石。

2ヶ月前に、私が住む町の山『なでがた山』に隕石が落ちた。

あの隕石は、私が乗ってきたトラベルマシンだったんだ。

そして、私は着陸の時の衝撃で頭を打ち、記憶を無くしたんだ。


「そういえば……」


あの隕石は、あとかたもなく消滅したってニュースで言ってたような……


「あっ……」


そうか。

あのトラベルマシンは、元々、自動操縦で調査ロボットを乗せて未開の星を探索するのが主流。

だから、証拠を残さないために、マシンはあとかたもなく消滅したんだ。

確か、あのトラベルマシンは、とにかくスピードが速かった。

だから、私はあのマシンを選んだんだ。

メルディック星は、地球とは比べものにならないぐらい科学力が進んでいる。

私は、このマシンの構造を考えただけでも、そう思わずにはいられなかった。


「えっ、じゃあ……」


ということは……


「この間、落ちた隕石は……」

「あれは、私の乗ってきたトラベルマシンです。もちろん、マシンの形跡は残していませんが」


やっぱり……

この間落ちた2つめの隕石は、レイが乗ってきたトラベルマシンだったんだ。


そうか……

そうだったんだ……


小さい頃から、いつも一緒だったレイ。

私との何気ない会話を覚えてくれていて、ここに来てくれた。

20%というとても少ない数字を信じて来てくれたんだ。


「あれ……?」


ちょっと待って。

でも、どうしても1つ分からないことがある。


じゃあ、今の私の両親はいったい誰なんだろう?