【短編】君の数字




実は、以前こんなことがあった。

好きになって付き合った相手の数字が悪かった時がある。

確か、30%前後だったかな。


でも、その時は恋に夢中で、数字の低さを気にしていなかった。

でも、やっぱりあの数字は正しかった。


楽しく順調に恋が続いていたのに、日を追うごとに20%、10%と相性は下がっていき、やがてその恋は終わりを迎えた。

最後、別れ際に握手をした。

これからも、いい友達でいようね、と笑いながら握手をした。

その時見えた数字は、たった7%だった。


だから、今回、数字が高かった場合、やっぱり数字通りにうまくいくのか確かめてみたいのが本音。

それになにより、レイはやっぱり見た目が最高にタイプ。

街を歩いても、女の子がみんな振り返るぐらいだし、私も鼻が高い。

もう、最近では、私の彼氏はレイだと噂にもなっている。

うん、嬉しい。

それは、嬉しいんだけどね。

でも……


「お嬢様、少しホコリのようなものが、まつげの下についていました」

「ど、どうも」

「私のこの世のものとは思えないような美しい指先で取り除いておきました」

「は、はは……」

「しかし……私の右の手……なんて美しい指先なんでしょう。そう思いませんか、お嬢様?」

「そ、そうだね」



あぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!!

なんで、こんなにナルシストなのぉぉぉぉぉぉ~~~~~!!!!!



ていうか、これってとっくにナルシストの域を越えてるよね。

もうそろそろ、変態のテリトリーに足を踏み入れそうじゃないの。




あ~、もう!

これさえなけりゃ、最高なのにぃぃぃ~~~!!!!