――
―――
――――



「ねえねえ、私、大きくなったら、行ってみたいとこがあるの」

「どこ?」

「すっごく遠いんだけど、一緒に行ってくれる?」

「いいよ。僕が一緒に行ってあげるよ」

「ほんとに! ありがとう!」



――――
―――
――


あれは、私がまだ9歳の頃。

誰かとこんな約束をした記憶がある。

でも、会話の内容もぼんやりとしか思い出せない。

いったい、あれは誰だったんだろう。

誰だったか、いくら考えても思い出せない。


でも、たったひとつだけ分かること。


それは、あの時、あの瞬間は、その約束をした彼が運命の人だと思っていたこと。

そうなんだ。

私は、人の幸せというのは、運命の人に出会うことだと思っている。


この世でたった1人の運命の人。

その人に出会えることができれば、どれだけ幸せだろう。

そして、恋に落ちることができれば、どれだけ幸せだろう。


だから、私は探し続ける。

自分との相性が100%の運命の人を。


今日も探し続ける。