チャイムが鳴ったあと、私は南くんと並んで教室まで歩いた。 南くんの3組の隣の、私の4組の教室まで送ってくれた南くん。 お互いに「お大事に」と言って笑うと、私は教室に入ろうと体の向きを変えた。 するとその直後に南くんに呼ばれ、教室から顔を出した。 「ど、どうしたんですか?」 「次からは、敬語なし!」 「え…」 「じゃ、そういうことで」 軽く手を振って、隣の教室に歩いていく南くんの背中を見ていた。