それを見て苦笑すると、口を開いた。 「2時間目の終わりに、授業のバスケで突き指したんだ」 「えっ…!」 元バスケ部だから、突き指した時の痛さと不便さがよくわかった。 「あの、大丈夫、ですか…?」 「うん、利き手じゃないし、たいしたことないから」 南くんは顔を上げると、笑って言った。 「増川バスケ部だったよね。よくあんな難しい競技やってたよね」 「えっ、あ、はい…。でも南くんも、野球頑張ってたじゃないですか…!」