薺ちゃんに言われたことを意識しすぎて、夕方になった今でも、話すどころか目も合わせられないでいた。
「もうそろそろ帰ろっか」
薺ちゃんが伸びをしながらそう言った。
「うん、そうだね。帰ろう」
南くんが頷いた。
私も頷きかけたところで、塔田くんが「あぁー!」と大声を出した。
「なによいきなり! びっくりするでしょ!」
薺ちゃんが塔田くんの頭をバシンと叩く。
塔田くんは「いってぇ!」と言って頭をさすると、にかっと笑って口を開いた。
「遊園地と言ったら、観覧車だろ!」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…